根暗課長(新しい技術症候群)

根暗課長

辞めた社員のその後を知っていますか?

狭い業界ですから何かの拍子に知ることもあるでしょう。

私は見てしまったのです。

私を捨てて去っていった部下が、きらびやかに輝くオフィスでニッコリ写っている姿を。

いかにも金をかけているぜというWEBサイトでした。

ご丁寧に年収まで記載されていて、その額はうちの会社で出せる額を遥かに超えていました。

キィィィー
ぐやじい〜

器が豆粒のごとく小さい私は一瞬そう思いましたが、そのうち忘れてしまいました。

ま、そんなもんです。

去る者は追わず
です。


最近、WEBアプリケーション開発技術が物凄い勢いで進化しており、そのことをY○utubeや友達などに煽られた若手社員が「もっとソースコードを書きたい」「新しい技術に触れたい」と言って辞めていくケースが増えています。

新しい技術ってなんだ?

そんなものは常に変わるし、そのうちAIだらけになってコードを書かなくなるかもしれない。

そもそもコードはいつでも書けますし土日だってあるじゃないですか。

なのになぜ?

どうやら会社で新技術を教えてもらえると思っているようです。

大きな勘違いです。

会社は仕事をする場所です。

肝心なところが分かっていないような気がしてなりません。

新しい技術と言いますが、自分で新しいものを作りたいとなった時に、その作りたいモノを具現化しなければなりません。
それはコードが書けるだけでは不十分です。

自分を助けてくれる協力者たちとの連携作業が必要になるし、もちろんお客様対応だって必須となります。協力者を集めるスキルも求められます。
それらを学べるのが会社であり経験を積める場所なわけです。
そこに注目してほしいですね。
コードはいつでも書けるし、3年修行してひとつの言語が書けるようになれば十分。
会社ではプロジェクトを回したり、設計したり、お客様と折衝したり、会社だからこそ得られる経験がその辺に転がっています。

それを拾うか否かは本人の自由。

これは私の経験なのですが、30歳を過ぎるとソースコードを書く技術よりも上流工程の経験や、管理職経験を求められます。
残念ながらソースコードだけしか書けないとなると業務の選択肢が極端に狭まります。

その時の流行プログラミング言語を書けたとしても、それはたいしたアドバンテージにはなりません。
少なくても私が見てきた世界では、最新開発言語よりも、設計経験や管理職としての能力が圧倒的に求められていました。

上流工程というのは普遍であり、開発言語がなんであれやり方はさほど変わりません。
開発言語よりもメンバーを統率する能力や、お客様と仕様を詰めていくコミュニケーション力の方が絶対的に必要なものになるのです。

誤解を恐れずに言うならば、プログラマーは代えのきく存在です。
募集すればフリーランスの人たちが集まってきますし(お金次第)、上流工程を自社の少ないプロパーで固めて、下流工程とテストはフリーランスを集めるシステム開発スタイルは20年も前から続いているものです。

ソースコードを書くことが楽しいのは20代まで。
30過ぎたら上流、40過ぎたら管理職。
それが嫌ならフリーランス。

ずっと飲み屋で話されてきたIT業界の定番話です。

若者には5年、10年先を見据えて動いてほしいな
と思う今日この頃です。

ではまた。

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