誰かが言いました。
「仕様はそのままでさ、クラウドで動くようにすれば良いじゃないか」
その言葉が命取りとなったことは言うまでもありません。
言うは易し 行うは難し
悪夢の始まりでした。
多くのBP(ビジネスパートナー)が逃げていった新プロジェクトは「社運をかけた」と言うにはお粗末なもので、見かけだけ豪華な船と呼べるそのプロジェクトは出航直後は良かったものの、あちこちでトラブルが発生し乗組員を載せたまま沈没しました。
今日はそんなプロジェクト沈没の話をしたいと思います。
システム開発には大きく分けて新規と保守の2種類があります。保守はすでにある物を改修するので比較的見通し立てやすいのですが、新規にいたっては初動をミスると大ゴケしやすいのです。
ある程度進んでしまったプロジェクトで問題が起きたとき、軌道修正で済むなら良いのですが、致命的な問題となるとプロジェクトを閉めざるを得なくなります。
もちろん、それまでの投資はすべてパー。経営者は損切りか続行か、決断を迫られるわけです。
葬式みたいな会議の中で、社長からプロジェクト解散を告げられたとき、正直私はホッとしました。毎日営業と開発の喧嘩ばかりで嫌気が差していたところで、もうウンザリでしたから。
プロジェクトが失敗する時というのは突然ではなく、必ず兆候があります。ヒヤリ、ハットとでも言いましょうか、それを放っておくと取り返しのつかないことになるわけです。
私が知る限りのその兆候を順にあげていきましょう。
目次
- 兆候1 プロパーとBPの小競り合い
- 兆候2 営業が乗り気じゃない
- 兆候3 PMがブチ切れる
- 兆候4 機能ロスト
- 沈没
- ゴールにたどり着くためには?
兆候1 プロパーとBPの小競り合い
作業指示を出すプロパーの要求レベルが高すぎて、BPやフリーランスの人たちが付いていけなくなり辞めていきます。
当たり前ですがBPを雇うにはコストがかかっていて、辞められたらまた一から教えなければなりませんので、お金と時間のダブルコストとなります。
急いで人集めを行うとこの兆候が出やすいですね。可能な限りBPとフリーランスは付き合いのある人たちで揃えるのがベストです。
兆候2 営業が乗り気じゃない
システムやパッケージを売るのは営業です。その営業が協力的じゃなかったり、高圧的な態度を取ってきたら危ないです。
分かりやすいのが、急なアポが入ったと言って会議をドタキャンするパターンです。
やる気のある営業はそんなことしないし、開発のことを気遣ってくれます。出張のお土産や差し入れをしてくれることもあり、開発はいざというときにそういった営業を助けようとします。
要は良い営業というのは人間関係を作るのが旨いんです。
一方ヤバい営業は、出来上がった物に対して後から文句を言ってきます。会議のときにいくらでも意見を述べる機会はあったのに。
なので、マインドが一緒に物を売っていこうというものではなく、ただのわがままなお客さんになってしまってるのです。
しまいには後出しジャンケンで「この機能が無いから売れない」と言い出します。私の経験ではこのワードが出てきたプロジェクトは失敗しています。
兆候3 PMがブチ切れる
営業がヤバいと仕様のちゃぶ台返しが起きます。プロジェクト終盤になって「この機能追加してくれ」「この機能が無いと売れない」といった要求が上がり、スケジュールに割り込み、困難が生じます。
PM(プロジェクトマネージャー)が必死に交通整理しますが収集がつかなくなり、ある日会議でブチ切れるわけです。
こうなったら社長の出番です。喧嘩仲裁が始まり、鶴の一声が発動します。
ここまで来ると、周りがザワザワし始めて危険を察知したBPが逃げ出したりしますね。
兆候4 機能ロスト
社長の鶴の一声が発動し、機能がカットされます。はみ出たスケジュールをなんとか押さえ込んで巻き返しをはかりますが時すでに遅し。
船の半分まで浸水しており、幹部クラス連中が夜な夜な集まりコソコソし出します。
プロジェクト継続のコストと損切り額を天秤にかけるわけです。
唐突にプロジェクトメンバーが呼び出されて事情聴取があったりもします。
最終的に、悩みに悩んだ社長が決断を下します。
沈没
内々で敗戦処理メンバーが選定されたあと、会社の全体会議にて重い空気の中、プロジェクトクローズとメンバー解散が発表されます。
その後の飲み会で「納得いかない」と声を荒げるメンバーがたまにいますが、決定事項が覆ることはありません。
それを機に辞める社員もいます。
そしていつの間にかそんなプロジェクトがあったなと、社員の記憶から消えて無くなります。
ゴールにたどり着くためには?
プロジェクトを成功させるにはとんでもないエネルギーが必要です。
それと、人を引きつける力を持ったプロジェクトマネージャーが絶対的に必要です。それに情熱と推進力。良いPMにはメンバーが付いていくんです。うまく言えないですけど、吸い寄せられるというか。。。
プロジェクトマネージャーってある意味、人たらしじゃないとダメなんだと思います。
私が経験した成功プロジェクトは片手に収まってしまう数なんですけど、仕切ったPMたちはみんな人たらしでしたね。
そんなわけでこれからIT業界で上を目指したい方々は、どんどん人に絡んでいった方が良いです。その時にその人の悪い所ではなく、良い所を見るようにした方が良いですよ。
これは病気というハンデを持った私が生き抜くためにやったきた人生攻略法です。
おかげさまで今まで多くの人たちに助けてもらっています。
仕事ってひとりじゃできないんですよね。
あーそうそう、
沈没船という名のプロジェクトですが、なんと、復活ののろしが上がりそうなんですよ。
いやぁ、レア中のレアです。
きっと裏で、
人たらしが動きましたね。
おおかた予想がつきます。
会社にはね、優れた人たらしが隠れていたりするもんなんです。
はたして、どうなりますかね。。。
そんなわけで今日はこのへんで。
ではまた。