こんにちは。
先日久しぶりに会社の飲み会に参加しまして「明日テレワークだから余裕だべ」と調子に乗ってメガハイボールを3杯も飲んでしまい、翌朝必死の形相(ただの二日酔い)でリモート会議に参加する羽目になったのは言うまでもありません。絶望です。
さて、今日はブラックの代名詞であるIT業界の残業について語りたいと思います。けっこう長くなってしまったので目次を作りました。
目次
- IT業界の残業
- ブラックの残業
- ブラックの面接
- 中小の残業
- 大手の残業
- SESの残業
- フリーランスの残業
- まとめ
IT業界の残業
私がIT業界の門を叩いた頃(20年ちょっと前)に比べて、業界全体で残業が減ったことは間違いないです。しかしながら今でも残業はあります。どれくらいかというと会社の業種と規模によって異なります。
私は転職5回と多めでSES(下流→上流)、自社開発の両方を経験しましたが業種と規模で残業時間がバラバラでした。あちこちで働きましたが見込み残業が20~40時間くらいの幅がありました。
だいたい1日に1~2時間残業がある感じですね。これが「多い」と感じるのであればIT業界で働くことは難しいと思います。定時退社に拘るのであれば、しっかり業種と規模を調べてから就職なり転職に臨むことをお勧めします。
月の稼働時間
160~180:通常
200:レッドカード
土日出勤は無いが、平日は終電近くまで残業
300:デンジャラスゾーン
毎日終電当たり前、土日も少し出勤
350:過労死領域
毎日終電+休日出勤当たり前
400:神の領域
会社に住んでいる
ブラックの残業
会社の大小に関わらず凄まじい量の残業があります。ただ、20年前に比べてそこまで激しい話は聞かなくなりました。
かなり多いといっても月の稼働時間が300を超えるか超えないかくらい。私が若い頃は月400を超える「神の領域」がありましたのでそれに比べたらぬるいものです。
残業時間を気にしている人は確実にブラック企業を避けたいでしょう。ブラックが存在することは事実ですので会社を選ぶ際にどうやってブラックを回避するか考えることになります。
これについては今も昔も変わらず5chや、SNS(Twitterは文面でブラックと分かる)、転職サイト(ネガティブ情報多め)で会社名をひたすら検索すれば良いでしょう。
新卒であれば学校で情報持っていますのでまじめに就活すれば回避できます。転職ならIT業界の人から情報を得るのが一番です。
今は殆どの人がエージェントを使うと思いますが、これも紹介が良いです。少ないですが悪いエージェントがいましてそういったエージェントはあなたを騙します。エージェントにコネがない場合は大手の人材紹介会社を選ぶと良いでしょう。
Youtubeの情報は気をつけた方が良いです。けっこう嘘が多いです。
やはりIT業界に長くいるベテランの情報が最強です。
ブラックの面接
入社希望の会社がブラックなのか(残業が多いのか?)をはっきりさせるには面接で聞くのが一番です。IT業界の残業が多いことは有名なので面接でそのことを聞いても面接官は気にしません。
私採用やっていますが残業について聞かれることが日常茶飯事です。むしろ聞いてもらった方があとでトラブルにならないので良いくらいです。
もちろん正直に話しますし、それで警戒されるようであれば「うちではやっていけない」と判断します。
もうこれは仕方がないです。嘘ついて良いことばかり言って入ってもらってもすぐ辞めてしまうので。そうなってはこちらが大損です。
ただ、ブラックは別です。巧みな話術で良いことばかり言ってきます。残業は「普段はない。緊急時はある」みたいなことを言います。ブラックは常に「緊急時」であるのと、その人のキャパを超える仕事を振ってきますので(常に人的リソース足りない)、必然的に毎日仕事が終わらず残業となります。
素人はひとりで就活・転職活動をしないで、学校の先輩・OBを頼るのが一番です。会社によってはOB面談を希望して許してくれるところもあるので、そういったテクニックを駆使してなるべく多くの判断材料を集めることで自己防衛しましょう。
中小の残業
いわゆるベンチャー、スタートアップがこの領域で、間違いなく残業があります。最低でも見込み20時間は覚悟しておかなければなりません。場合によっては月稼働350とかも出てくるでしょう。
これは仕方がありません。大手と違って0を1にするわけですから。しかも人が少ない。
「少ないリソースで夢を追う」というのはロマンなわけですよ。博打でもありますし、もう真剣勝負なわけです。
私も一度スタートアップを経験したことがあります。最初は4人でした。そのあと7人になって、夢を追いかけました。でもね、人生ってほろ苦いんです。どこまで自分を犠牲にできるか、どこまで熱意があるか、その気持ちがどこまで続くか・・、はっきり言って新卒が熱意だけでスタートアップに入るのは危険だと思います。
よって、安パイを取るなら中小の「中」を目指すのがお勧めです。組織化ができており、既に事業が軌道に乗っていることから「1から2の仕事」が豊富にあります。無茶な仕事を振られることも少ないでしょう。うまくいけば毎日定時退社です。
大手の残業
残業0の生活を得る最も可能性の高い手段が大手に就職・転職することです。徹底的に組織化されており、仕事が縦割りで個人の担当範囲がしっかりと決められています。「歯車のひとつ」と揶揄されますが、それでも良いじゃないですか。毎日定時退社ですよ。
が、
落とし穴があります。
業種によっては大手でもブラックなみの残業があります。私がSESをやっていたとき某商社に出向して2年ほどプロジェクトに参画したのですが、地獄を見ました。
オーナー様の正社員たちは「脳みそ筋肉」ばりの体育会系で、とんでもない仕事量をこなしていました。さらに英語も流暢ときており「どうせ学歴だけだろ」と思っていた自分を大いに恥じたもんです。
大手のデキる社員は学歴があって、かつ鉄人なのです。プロジェクトマネージャーを担当していた女性正社員を見たとき「本物のバリキャリだ」と思いましたね。ドラマに出てくるキャリアウーマンって架空の存在だと思っていたので、はじめて本物を見て衝撃的でした。
この人たちは寝ないのか?
本当に「人」なのか?
眠らない深夜のフロアで私はいつもそんなことを考えていました。
大手だからって残業がないとは限りません。
SESの残業
シンプルに案件ガチャです。すべては運と言っても過言ではありません。
残業が嫌な人はSESを避けるべきです。
当たれば定時退社、はずれは地獄です。ついこの前SESやってる若手から
「今月300いっちゃいましたよー」
(月300時間働いたということ)
って聞いたばかりなので、今でも地獄は存在しています。
お気を付け下さい。
「若い頃は苦労してでも技術を学びたい」精神がある人と、体力に自信がある人にはSESは向いています。
あとは人と接点を持ちたくない人ですかね。SESは嫌になったら別の現場にいけますからね。これが良いという人には向いてますよ。あちこち現場を回ることによって「新しい技術を経験できる」というメリットもあります。
フリーランスの残業
残業時間の幅が最もあるんじゃないかと思います。もう5年くらいフリーランスの方たちに仕事を手伝ってもらっていてAさんBさんCさんといらっしゃいますが、Aさんは凄腕で他にも仕事を持っていて毎日定時退社です。
Bさんは普通スキル(可も無く不可も無く)で残業は月10時間前後です。
Cさんは3人の中で最もスキルが低く残業多めで20時間を超えることもあります。
こういった感じでスキルや経験、プロジェクト滞在期間によって残業時間が大きく変動します。
フリーランスの残業は直接ギャランティに紐付いており、契約内容に依存します。例えば月の稼働時間を150~200で契約して、実際には210時間稼働したということであれば、雇い主は10時間分の残業代を払うことになります。
150~180契約であれば30時間分です。
気をつけなければならないのは、フリーランスの稼働時間はカレンダーに依存しないということです。一般的なIT会社の正社員であれば土日祝は休みで稼働日に入りません。月によっては稼働日が20日のときもあれば22日のケースもあります。
フリーランスは時間で働くのでたまたまその月が祝祭日多かったり、体調不良で休んでしまうと稼働時間が足りなくなるケースが出てきます。そうなると信用やギャラに影響が出るわけです。
それとフリーランスは「腕っぷし」と「コネ」がすべてです。スキルが備わっていない若い内に手を出すと火傷します。フリーランス希望のヤングプログラマーはまず会社組織に入って3年~5年は働き、その中でお得意さんを見つけることをお勧めします。
ちなみに私がSESをやっていたときも「コネ」が最強でした。私はフリーではなく会社に所属していましたが、コネを持っていたので出向先のプロジェクト入場の際に面接がなく「明日から来てくれ」なんてこともしょっちゅうでした。
※フリーランスについて書いていますので良かったらどうぞ
まとめ
いろいろとタイプによって残業時間が違うことを書き綴ってみました。
IT業界といってもジャンルがあって、ここに記載したものは大枠であって、もっと細かく分かれます。大手でも金融・医療は昔からシビアと言われており、大手だからといって残業が少ないということではありません。
逆に中小は絶対残業があるのかといったらそうでもありません。
結局のところ、自分の目で確かめるしかないのですがそれが分からないから苦労しているわけで「人に頼る」のが一番だと思います。
ブラックを回避したいならひとりで就職・転職活動しないことです。学校の先生や、先輩、既にIT業界に入っている人、エージェントなどなど頼れるリソースは何でも使う、これが一番。
最後に「残業は悪か?」という業界でよく話題になるテーマについて。
私は悪だとは思いません。
私が若手の頃はIT業界はブラックだらけでどこも壮絶な残業を強いられていました。仕事がありすぎたんです。ITバブルは多くの富と残業をもたらしました。
その厳しい時期を乗り越えたIT戦士たちは今、管理職だったりフリーランスになっている人が多いと思いますが皆さんタフです。少なくても私の数少ない知人(IT業界現役おじさん達)はタフです。
歳を取るとそれなりのポストについたり、事業を立ち上げたりとポジションをキープする上で鋼のメンタルが求められます。弱かったらやってられませんからね。
昔を思うと、確かに残業はきつかったです。
が、その分タフになれたというのが事実です。
私は喘息持ちで何度も「この業界では生きていけない」と挫折しそうになりましたが、壮絶な残業生活の中で多くの人たちに助けてもらい
もうちょっとがんばってみよう
逃げるのは嫌だな
という気持ちになり、ここまで来ました。
これが毎日定時退社の温室生活だったら、今の自分は無かったかもしれません。
そう考えると「残業は悪か?」と問われればNoと答えます。
そんなわけで今日はIT業界の残業について語らせてもらいました。
ではまた。