失意の面接官(IT業界7Kの昔と今)

目次
人手不足
7Kその１．仕事内容がきつい
7Kその２．帰れない
7Kその３．給料が安い
7Kその４．休暇がとれない
7Kその５．規則が厳しい
7Kその６．結婚できない
7Kその７．化粧がのらない

人手不足

IT業界25年目、いろいろ見てきていろいろ経験しました。
楽しいこと、つらいこと、理不尽なこと、、、

さすがにこれだけ経験すれば何があっても乗り越えられるだろう
と思っていました。

が、

そうは問屋が卸しませんでした。

今まで見たことがない壁が目の前に立ちはだかったのです。

人手不足

これにはマイッタ。

しかも最も欲しい中間層がいません。
いわゆるプレーイングマネージャーが市場に少ないのです。

未経験者やWEBプログラミングができる人材はけっこう出てくるのですが、最も欲しい中間層がヒットしないのです。

お付き合いさせていただいているエージェントに話を聞くと、会社の規模が関係しているらしく、小さい会社に転職しようという中間層はどうしても少なくなってしまうらしいです。

人が取れないとなると結局残業が増えてしまい、日に日に仕事がきつくなってきます。

いつまでこんなのが続くのだろう・・

世間では
これからはライフワークバランスの時代だ！
と騒いでいるのに。。。

そんなことを考えていたらふと昔を思い出しました。

あのときもきつかったなぁ・・

20年前、
IT業界には3Kという言葉が日常的に使われていました。

・仕事内容がきつい
・帰れない
・給料が安い

そしていつからか3Kに以下４つが加わり7Kに進化しました。
（悪くなったのだから退化か？）

・休暇がとれない
・規則が厳しい
・結婚できない
・化粧がのらない

※上記7Kの内訳は当時の職場で聞いたもので人によって異なるかもしれません。あしからず。

そんなわけで
この7Kが今どうなっているんだろう？

と、ふと考えてみました。

※ここでいう～昔～は20年前に働いていた環境で感じたことであり、内容はあくまでも主観的なものです。

7Kその１．仕事内容がきつい

～昔～
仕事が多すぎて客先出向しながら請負作業もダブルでやっていた。
神の領域と呼ばれる、月の労働時間が400時間オーバーを経験した。
「72時間働けますか？」という世界だった。
～今～
無茶な線引きはしない。
休日出勤なし。徹夜なし。
見込み残業20～40時間くらい。
風邪ひいたら会社休める。

7Kその２．帰れない

～昔～
残業が多すぎて毎日終電だった。
そのうち帰れなくなって椅子を並べて寝た。
椅子はあちこち痛いので床に寝てたらダニに喰われた。
会社にお泊まりセットを常備していた。寝袋も。
～今～
ノー残業デー(定時退社日)がある。
20時過ぎたら電気消されて追い出される現場があった。
リモートワークなのでそもそも出社しない。

7Kその３．給料が安い

～昔～
SESの下流工程に属すると搾取されるケースがけっこう多く、ピンハネされて給料が安かった。
4次受け5次受け、へたすると6次受けなんてある。
自社開発なら給料が良いとよく聞いたが、SESと比べて求人が少なくて狭き門だった。
～今～
昔と同じ。SESの場合、下請けピラミッドの下の方になると今でもピンハネされる。
相変わらずSESが業界の殆どを占めている。
自社開発は少なめ(2割くらい？)で、若いフリーランスがかなり増えたように感じる。
インフルエンサーの影響か？

7Kその４．休暇がとれない

～昔～
デスマーチになると早番遅番のシフト制に変わる(24時間フル稼働)
そんなときに休めたのは月に１日か２日。
休める時に休む。仕事が暇なら翌日でも休めた。
そのかわり忙しくなると当たり前のように休日出勤した。
～今～
有給は社内ルールに則って普通に取得できる。
年に５日取る必要がある。有給取らないと上司から注意される。
休日出勤なんてあり得ない。
SESでも休日出勤がある現場はレアケース。
有給を使い切れる。

7Kその５．規則が厳しい

～昔～
現場に依存する。携帯電話持ち込み禁止。
スーツ革靴必須。茶髪NG。
インターネット禁止(セキュリティ対策)など。
～今～
昔と同じ。現場に依存する。
大手になればなるほど服装とセキュリティ周りの
規則が厳しい。情報漏洩対策が進んだ。

7Kその６．結婚できない

～昔～
自分がいた現場は男女比が 9:1 だった。
上流工程は女性の割合がそこそこあった。
男性はオタクが多かった。
（新人のときに事務の女性から「ここってオタクばかりよ」
　と言われたことがある）
大手(上流)にいた男性陣は既婚者が多かった。
～今～
オタクがいない。減った。むしろインテリ系？
MacBookを持った意識高い系が現れた。
男も女も普通に結婚してる。

7Kその７．化粧がのらない

～昔～　
女性が頼もしくて、パワフルで（バリキャリ？）
徹夜なんて当たり前くらいの女性の先輩から
「１日くらい寝なくたってどうってことないでしょ！
　シャキっとしなさいよ！」
とカツを入れられたことがある。
その女性がよくこの台詞を言っていた。
～今～
現場に女性が多いが「化粧がのらない」なんて
聞いたことがない。

以上、7Kについて昔と今の違いを書いてみました。

昔は本当にきつかったです。
こちらでも書いたのですが、私には持病の喘息があって当時会社にはそのことを隠しており、大げさに言えば命削って仕事したなんてこともありました。